10月は乳がん月間。乳がんが激増する30・40代は定期的な検診を
34歳で惜しまれながらこの世を去った小林麻央さんをはじめ、30代・40代の著名な女性が次々と乳がんを公表し、真摯なメッセージを発信しています。乳がんは女性が最も罹患しやすい癌。命を危険にさらす恐怖、胸を失う悲しみなど、女性に与える影響の大きさははかり知れません。
10月はピンクリボン運動をはじめ日本各地で乳がんの啓蒙運動が繰り広げられる時期。癌の早期発見・早期治療の呼び掛けに応えて、自分のバストの健康を再確認してみましょう。
目次
11人に1人が乳がんにかかる!? 増え続ける日本の乳がん患者
「ピンクリボン運動」という活動を耳にしたことはありませんか?乳がんで命を落とす人を一人でも少なくしようと、1980年代ごろよりアメリカから始まった乳がんの啓蒙活動です。今やピンクリボン運動は世界各国に広がり、毎年10月のピンクリボン月間にはさまざまな乳がん関連イベントが開催されています。
がんのできる場所が女性特有のバストだからか、乳がんは今までは大々的に語られてきませんでした。しかし、小林麻央さんをはじめとする著名人が乳がんの闘病生活を公表したこともあり、ここ数年はかつてないほど関心が高まっています。
日本の女性が生涯で乳がんにかかる割合はなんと11人に1人。2016年度の乳がんによる死亡者数は14,015人となり、30~60歳の女性の死亡原因のトップに躍り出ています。
また、乳がんは30代後半から患者数が急に増加し始め、40代後半が最も罹患しやすいというのも特徴。まだまだ自分の健康を過信しがちな年齢のため、家族の健康は気に留めても自らの健康は後回しという人が多いようです。
それだけに乳がん検診もおろそかになりがちで、気づいた時には、がんがかなり進行していることも…。毎年10月のピンクリボン月間ぐらいは、家族や他人のことばかりでなく、自分の胸の健康もきちんと見直せるといいですね。
自宅で簡単にできる乳がんセルフチェック方法
乳がん検診といえば、「病院に行って触診やマンモグラフィー検査を受けるしかない」と思っている人も多いのでは?もちろん、医師の診断や専門の医療機器を使用した定期検診は重要ですが、自分でも乳がんの簡単なチェックはできます。30代・40代の乳がんリスク世代は、ぜひ月に一度は自分で乳がんチェックをしてみましょう。
お風呂でチェック
指の腹で乳房を優しく押さえながらしこりがないかチェックをします。この際、「の」の字を書くようにくるくるとまんべんなく調べましょう。身体を洗っている最中の石鹸がついている状態で行うと、指の滑りが良くなって調べやすくなります。
鏡の前でチェック
上半身裸で鏡の前に立ち、腕を片方ずつ上げ下ろししたり、頭の後ろで腕を組んで両腕を動かしたりしてみましょう。胸に窪みや引きつれ、黒ずみなどがないか観察します。
就寝時のチェック
お休み前のベッドの上も乳がんのセルフチェックにぴったり。下着を着けない状態であおむけに寝転がると、胸が少し平らになるため、立った状態ではわかりづらかった深部のしこりが探しやすくなります。
早期発見で90%以上が完治。2年に一度はマンモグラフィー検査を
アメリカは8人に1人が乳がんになるといわれる乳がん大国。実はアメリカやヨーロッパ諸国の乳がん罹患率は日本を含むアジア諸国よりも少し高め。それだけに、ピンクリボン活動を始めとする乳がんの啓蒙活動も一層盛んに行われています。懸命な活動の成果か、ヨーロッパやアメリカでは年々乳がんによる死亡率は低下。逆に日本は乳がんの罹患率・脂肪率とも上昇しているのです。
日本で乳がんの死亡率が高まっているのは、罹患者が増えているのに乳がん検診の受診率が各国と比べて圧倒的に低いからに他なりません。アメリカでは80%以上、イギリスや他のヨーロッパ諸国でも70%以上の人が定期的に乳がん検診を受けているのに対し、日本ではわずか40%。先進諸国としてはあまりにも成績が悪いのが実情です。
もう一度、日本の乳がんの現状をおさらいしてみましょう。
- 乳がんは30~60歳の日本人女性の死因のナンバーワン
- 乳がんの女性の生涯罹患率は11人に1人
- 乳がんは30代後半・40代・50代前半に罹患者が多い
乳がんは早期に治療を行えば、90%が完治するといわれています。この乳がんの悪化スパイラルを阻止するのは定期的な検診で早期発見・早期治療を心がけるしかありません。
日本では2年に1度の定期的な乳がん検診を推奨しており、40歳以上の女性は自治体による無料の検診が実施されています。
また、この10月のピンクリボン月間には、チャリティーウォーキングを行うピンクリボンフェスティバルをはじめ各地で乳がん関連のイベントが開催され、それに呼応するように全国の医療機関でも乳がん検診に力を注いでいます。
今まで「乳がんなんて他人事」だと思っていた人こそ、この機会にピンクリボン活動に耳を傾け、乳がん検診を受けてみてはいかがでしょう?
まとめ
乳がんが襲うのは女ざかりの30代・40代。子供がまだ小さかったり、責任のある仕事を任せられていたり、最も多忙な年代といっても過言ではありません。
だからといって大切な乳がん検診をさぼっていると、後々、家族も自分も大変つらい思いを強いられることにもなりかねません。乳がんに大きな注目が集まる10月こそ、重い腰を上げるチャンスです。各地で乳がんにまつわるイベントが開催されていますので、乳がんの知識を深めるためにも、ぜひ参加を検討してみてくださいね。
※2017年のピンクリボンフェスティバルの詳細は下記のサイトでお確かめください。
http://www.pinkribbonfestival.jp/
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