化繊素材がかゆい!ヒートテックがダメな人のインナー
ヒートテックを着て肌にかゆみや湿疹が出たことはありませんか? 暖かくて着心地のいいヒートテックですが、中には肌トラブルを経験する人もいるのです。今回はヒートテックの暖かさの仕組みに触れながら、もし肌に合わなかった場合に身につけるべきインナーについてお話します。
目次
薄くて暖かいヒートテック、でも意外な弱点が!?
2003年の発売以来、15年間で世界累計販売数10億枚を突破した大人気商品のヒートテック。「寒い冬は、ヒートテックが手放せない!」という人も多いでしょう。着心地が良く、生地が薄いのに暖かいのですから、大ヒットするのも当然ですね。
ではこのヒートテックが、他の素材よりも暖かいのはなぜでしょう。
私たち人間は、特に運動をしていなくても1日に500〜800mlもの水分を体の表面から蒸発させています。その湿気を衣類が吸収する → 水蒸気が冷えて、気体が水に変わる → そのとき凝縮熱が発生する、という原理を「吸湿発熱」と呼びます。ヒートテックは、この仕組みを利用して、より多くの水分を吸収・放出するために化学繊維を何種類か組み合わせて作られています。これがヒートテックの暖かさの秘密です。
さて、薄くて暖かいという特長を持つヒートテックですが、実は弱点もあります。例えば、ヒートテックに多く含まれているレーヨンは「濡れた後、乾くのに時間がかかる」という欠点があります。つまり汗を多くかいた場合は吸収しきれなかった水分が冷えて、徐々に体温を奪ってしまうことがあるのです。普段の生活で使用する分には問題ありませんが、スポーツなどで多量に汗をかくことが予想される場合は、ヒートテックなどの吸湿発熱素材の着用を避けた方が良さそうです。特に「汗冷えが命取りになる」と言われる山登りなどにはおすすめできません。
また肌が弱い人の中には、ヒートテックを着ることでかゆみや湿疹などの肌トラブルを起こす人がいます。もともと体質的に化学繊維アレルギーというパターンもあれば、「より多くの水分を吸収・放出する」という特性のために乾燥肌が悪化してしまったというパターンもあるでしょう。掻き続けることによって、肌のバリアが破壊されるという悪循環におちいることも考えられます。
防寒はもちろん大切ですが、使う状況や自分の肌に合うインナーを見極めることは、快適な冬を過ごすために、とても重要だということを覚えておきましょう。
肌が弱い人は、天然素材のインナーを選びましょう
化繊素材のインナーを着て肌の乾燥が深刻化した場合、皮脂欠乏性湿疹が出たり、反対に汗や皮脂の分泌過剰によってマラセチア毛包炎(肌カビ)が出たりすることがあります。乾燥肌の人はもちろん、敏感肌や皮膚炎を発症しやすい人は十分に気をつけましょう。
では、かゆみや湿疹が出てしまった場合はどのようなインナーに替えれば良いのでしょうか。症状改善のためには、肌ざわりが良く吸湿性の高い木綿や絹などの天然素材がおすすめです。
インナーに使われる天然素材の中で、最もポピュラーなのは木綿。吸湿性に優れているので、汗をかいても蒸れにくく肌にやさしいのが特長です。また木綿の中でも最高級ランクに分類されるスーピマ綿のインナーは、極上のしなやかさで敏感肌の人も安心です。その他、抗菌・防臭仕様の高機能タイプの木綿など用途に合わせて選べます。
軽くてしなやかな着心地が人気のシルクは、吸湿性・放湿性・速乾性がなんと木綿の1.5倍。人の肌に近いタンパク質でできているので低刺激な上、紫外線は90%以上もカットしてくれます。さらに18種類のアミノ酸による潤い美肌効果というメリットまである優れものなのです! 最近は、内側は絹100%、外側はウール100%という二重構造のインナーもあるので、肌は弱いけれど、冷えも気になるという方はぜひ試してみてください。
インナーは第2の皮膚。敏感・乾燥肌の下着選びは慎重に
寒い冬に大活躍するヒートテックですが、人によっては肌トラブルの原因になることもあります。乾燥しやすい冬は肌そのもののケアも大切ですが、もし化繊素材のインナーに刺激を感じるようになったら、身につける素材を見直してみましょう。一日中肌と密着するインナーは、「第2の皮膚」とも言われています。木綿や絹などの肌に優しい天然素材のインナーで、寒い冬を気持ちよく乗り越えましょう。
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