冬の強い味方、ヒート系インナーの寿命はいつ?

更新日:2024年11月18日 3,109 PV

大人気のヒート系インナーは、寒い日に欠かせないという人も多いでしょう。けれどもヒート系インナーには寿命があるのを知っていますか。実は下着の寿命を過ぎると、機能性が下がってしまうのです。

今回の記事では、ヒート系インナーの仕組みや、その寿命やお手入れ方法、そしてヒート系インナーを着る際の注意点などをご紹介します。

目次

ヒート系インナーの仕組みと選び方

現在、各社より、さまざまなヒート系インナーが発売されています。素材や機能に違いはありますが、ベースとなる仕組みはほぼ同じです。

ヒート系インナーの主な特徴は、以下の3つです。

  • 多くの水分を吸収する。

人は運動をしていなくとも、皮膚から常に水分を放出しています。その量は、なんと1日600〜800ml。この時に発生した水分が、服の繊維とぶつかり、水の粒が繊維の間でこすれて熱が生まれます。これが「吸湿発熱」の原理であり、暖かさの秘密なのです。

  • 水蒸気を逃す。

服の繊維に水分が残っていると、かえって冷える原因になってしまいます。そのため熱を吸い取った後の水蒸気は、素早く放出される仕組みになっています。この機能のおかげで、体が冷えるのを防ぐことができるのです。

  • 空気の層を作る。

水が蒸発する際、周囲から奪う熱のことを「気化熱」と言います。水蒸気を逃す際、折角生まれた暖かさが気化熱によって奪われないように、繊維の間に空気の層を作ることも暖かさを持続させるためには欠かせません。

 

このような特徴から、ヒート系インナーが暖かくなるためには、まず体から出た水分が、繊維にたくさん含まれることが大切ということが分かります。そのため、体にフィットするサイズのインナーを選ぶことが必要です。ただキツ過ぎるサイズは、繊維が伸びて空気の層ができなくなるため逆効果となりますので注意して下さい。

ヒート系インナーの中には、機能を高めるために、レーヨン、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維が使われているものがあります。このため乾燥肌の人などは、かゆみなどの刺激を感じることがあるかもしれません。その場合は、綿など天然素材の割合が多いヒート系インナーを選ぶようにしましょう。

例えば、「ヒート系インナーは、暑くなりすぎるのがイヤ!」という人には、グンゼの「ホットマジック」がおすすめです。これは、上半身の冷えやすいポイントだけに吸湿発熱素材を使ったインナーで、肩や腰、背中に吸湿発熱素材を使用、集中的に保温してくれます。お腹・腕は心地よくフィットする綿混ストレッチ素材、さらに袖口や裾はシームレス仕様なので、アウターにひびかず、冬のおしゃれ着の下にさりげなく着ることができますよ。

同じくグンゼの「キレイラボ」シリーズも女性の強い味方です。完全無縫製、さらに洗濯タグも転写プリントされているから、縫い目もタグも気になりません。薄手なので、着膨れもせずスッキリした着心地。また肌の保湿構造を再現した「スキンタッチ加工」は、乾燥しやすい肌を優しく守ってくれます。

旭化成が開発した吸湿発熱素材「サーモギア」を使用した「着まわし7daysシリーズ」は、極細繊維を使用、柔らかくふんわりした着心地が自慢です。無地に細リブが入っているだけのシンプルなデザインなので、毎日の着まわしアイテムとして活躍してくれそうです。カラーバリエーションが豊富なので、お気に入りの1枚がきっと見つかりますよ。

このように、ヒート系インナーの中にも、さまざまな特徴と機能を持った商品が次々と開発されています。静電気防止、吸水速乾、形状保持、抗菌防臭、保湿、部屋干し対応など、もはやヒート系インナーは、欲しい機能に合わせて選ぶ時代なのです。

着まわし7days

着まわし7days

 

ヒート系インナーの寿命とお手入れ方法

そんな便利なヒート系インナーにも、やはり下着の替え時があります。いつになったら寿命なのでしょうか。結論から言うと、ヒート系インナーは、生地が伸びてしまったら買い替えどきです。というのも、生地が伸びると、以下のような現象が引き起こされてしまうのです。

  • 肌とインナーの間に隙間ができると繊維が水分を拾いにくくなり、「吸湿発熱」の効率が悪くなる。
  • 繊維と繊維の間の隙間が広がると、熱を逃しやすくなる。
  • 肌とインナーの間にも隙間が生まれて、首元から熱が逃げやすくなる。

ヒート系インナーが伸び始める時期は、使用頻度などにもよりますが、週2回の着用で1〜2年着ると、少し伸びてきたと感じる人が多いかもしれません。実際に着用してフィット感が失われてきたと感じたら、新しいものへの買い替えをしましょう。同じ会社、同じサイズのインナーで新しいものと古いものを重ねると、伸び具合が分かるでしょう。

ではヒート系インナーの寿命を伸ばすためには、どうすれば良いのでしょうか。生地が伸びるのを防ぐためには、丁寧に洗うことが必要です。理想を言えば、手洗い、タオルドライがベストなのですが、日々のことなのでそれは難しいかもしれません。もし洗濯機で洗うとしても、(1)ネットに入れて洗濯する。(2)他の洗濯物と一緒に乾燥機に入れると生地が伸びる原因となるので、天日干しにする。(3)干す時に、サイズの合っていないハンガーにかけない。という3点を守れば、大切なインナーが洗濯・乾燥で傷むのを最小限にできますよ。

ヒート系インナーの注意点・上手な活用法とは?

ヒート系インナーには、注意するべきこともあります。

まずは、直接肌に着るようにしましょう。綿などの吸水性の高いインナーを、ヒート系インナーの下に着用すると、ヒート系インナーが水蒸気をキャッチできず、暖かくなりません。

そして、ヒート系インナーを着る時は、その日のスケジュールによって選ぶことも大切です。例えば、冬の寒い日は汗をかかないと思いがちですが、暖房のきいた室内と寒い屋外の間には温度差があるため、意外とほんの少しの外出でも汗は出やすくなります。そして、もともと汗をかきやすい運動や就寝の際に、保温性の特に高いヒート系インナーを着ると、熱くなり過ぎてしまうこともあるので注意しましょう。

またヒート系インナーは、たくさん水分を取り込むために設計された素材のため、汗を多くかいて放出が間に合わない場合は、かえって体が冷えてしまうことがあります。特に汗冷えが命取りとなる登山などに、ヒート系インナーはおすすめしません。もし運動時に、ヒート系インナーを着用したいのであれば、速乾性が優れたものを選ぶようにしましょう。

使うシチュエーションを選ぶことが必要なヒート系インナーではありますが、現在は、さまざまなアイテムが出ているため、使い分けが可能です。「頭寒足熱」という言葉が示す通り、昔から健康のためには頭部を涼しくして足元を暖めることが健康に良いとされてきました。ヒート系の腹巻、レギンス、タイツ、ショーツ、ソックスなどを利用して、下半身を温めると、冬を快適に過ごすことができます。

さらに「暖かいインナーを着たいけれども、ヒート系インナーはどうしても苦手」という人は、シルクインナーを試してみましょう。繊維の女王と呼ばれるシルクは、天然素材でありながら、ヒート系インナーの得意分野である吸湿性・放湿性・速乾性・保温性という特長をしっかり備えた優れものです。人の肌に近いタンパク質でできているため肌にやさしく、さらにシルクに含まれるアミノ酸は美肌効果も期待できます。最近は、内側がシルクで外側はウールという、快適さと保温性を両方兼ね備えたインナーもありますので、是非手にとってみて下さい。

ヒート系インナーを活用して、心地良い冬を過ごしましょう

各社が競って開発をしているヒート系インナーは、防寒対策に欠かせない冬の強い味方です。その仕組みを理解すれば、選ぶべきサイズ、買い換えるべき時期、着るのを控えた方が良いシチュエーションなどが分かり、より使いこなせるようになりますね。

さまざまなインナーを試して、心地良い冬が過ごせる理想の一枚を見つけて下さい。

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この記事を編集した人

ミエコ

アメリカ在住のママライター。家電メーカーの役員秘書業務や出版社の編集業務を経験した後、家族の仕事の都合でドイツへ引っ越す。5年半のドイツ滞在中に2回の海外出産を経験し、現在は4児の母。帰国後、子育てのかたわらライターとして活動をする。2019年夏にアメリカ移住。「いつでも どこでも 楽しむ心を」がモットー。

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